「スティール・ボール・ラン 9巻」 荒木飛呂彦
急におもしろくなってきたのはどうしたわけだろう。
ここ20巻くらい、あれ、あれ、あれ?
と思いながら読み続けていたので、
久しぶりにスカッとした。
悪が美しく力強く描かれているのが、「らしい」。
これこそが荒木飛呂彦の真骨頂ではないだろうか。
「さんさん録 1,2巻(完結)」 こうの史代
こうの史代の略歴には、毎回、
「私はいつも真の栄誉をかくし持つ人間を書きたいと思っている」
とジッドの言葉が引用されている。
主人公は妻に先立たれたじいさん(見た目は中年くらい)。
しかし、この本で描かれた「真の栄誉をかくし持つ人間」とは、
冒頭で死んでしまった「妻」ではないか。
生前、妻が書き留めていた「家族の記録」が
その後の家族を、未来を紡いでいくのがおもしろい。
狂言回しが「本」だというのもヒネリがきいてる。
「カッパの飼い方」 石川優吾
この現代でカッパがペットとして飼われるようになったら・・・
そんなifを違和感無く描いている。
飼い主たちの顔を描写しないスタイルが
「三丁目のタマ」を思い出させた。
「迷宮都市ヴェネツィアを歩く」 陣内秀信
ヴェネツィアに行きたいと近頃思っていたので、
予習として購入。
ヴェネツィア研究の第一人者が、
この街のおすすめルートを紹介してくれる。
作者が街歩きしたときの視覚を
ダイレクトに文章化しているためか、
そのこんがらかった言い回しは、まさに「迷宮」。
多くのカラー写真が入っているおかげで、
なんとか読めた。
頭にはぜんぜん入っていないけど。
地図と文章を交互に読んでも、
まったく追体験ができなかった。
これは行くしかないか。
というわけで、
ヴェネツィア旅行計画を立てています。
10月か11月あたりで。
今日、ある人が
「明日バイトをやめる友達がいるんだけど、何をあげよう」と、
のたまっておられた。
「iPod買ったんだからMDプレイヤーあげたら」
僕が冗談めかして言うと、
「いらないものあげてどうすんだよ(このスカタンが)」
と返された。()の中は心の言葉。
・・・そのMDは
僕が2年前の誕生日に
買ってあげたものなのになあと心を深くえぐられた。
深く深くえぐられた。